甲状腺ホルモン剤は副作用で痩せ薬どころではない

チラージンsのさまざまな副作用

甲状腺ホルモン剤も、痩せ薬として医師が処方する医薬品となります。悪徳クリニックによっては、「1カ月で絶対に5キロ以上体重が落ちます。落ちなければ返金!」といった広告を出している例もあるほどです。

 

その驚くべきメカニズムは、「人工的に甲状腺異常(バセドウ病)の状態にし、無理やり痩せさせる」というものです。

 

バセドウ病といえば、2009年に人気歌手の絢香さんが結婚記者会見でこの病気にかかっていることを発表したことで有名です。また、有名サッカー選手の本田圭佑さんにバセドウ病の疑いがあることも話題になりました。

 

政治家の故・田中角栄さんも、パセドウ病に苦しんだ一人と言われています。

 

甲状腺ホルモン剤は正式には「チラージンS」(成分名レボチロキシソナトリウム)のことを指していることがほとんどです。チラージンSの減量効果は凄まじく、1カ月で5キロくらいなら簡単に痩せてしまうそうです。

 

もちろん、チラージンは甲状腺機能が弱る「橋本病」の人にとっては効果のある必要な医療薬です。ですが、どれだけドカ食いしても体重がどんどん落ちていくため、どうしても痩せたい人が手を出すことがあり、健康な人があえてバセドウ病になることは危険極まりありません。

 

甲状腺ホルモン剤の副作用とは

甲状腺ホルモンが通常時よりも多く分泌されてしまうと、運動しなくても血液に含まれるブドウ糖が勝手に燃焼していきます。体温も1度~2度程度上がり、異常に熱がりになって真冬でも半袖で過ごすようになります。心臓も常に全力疾走したかのようにドクドクするため、疲れやすくなることがあります。

 

血中のブドウ糖が勝手に燃焼することにより、いつか枯れ果ててしまいますが、そうすると今度は脂肪が燃焼されていきます。その作用によって痩せていくわけですが、脂肪がなくなると今度は筋肉や骨まで燃焼して減っていくことになります。

 

運動しなくても、チラージンSなどの甲状腺ホルモン剤を服用することで痩せていくということで、すぐにでも痩せたい女子高生などが危険をかえりみずに副作用を無視して服用している例も多いようです。

チラージンSなどの甲状腺ホルモン剤を服用していくと、ブドウ糖が燃焼して、脈拍数が増え、心臓に強い負担がかかります。

 

また、副作用として外眼筋(目の周りの筋肉)が異常に太くなるため、眼球が飛び出してきます。せっかく痩せても、目が飛び出してしまうためルックスが悪くなってしまっては意味がありません。

 

本来チラージンSなどの甲状腺ホルモン剤は、甲状腺の機能が低下している人に対して処方するものです。これを健康な人に服用させてしまうと、体の新陳代謝が乱れ、眼球が飛び出し、筋肉が減って異常に疲れやすくなってしまうのです。骨も細くなり、骨粗しょう症になって骨折しやすくなるリスクもあります。しかも、なかなか治らないので、痩せたとしても副作用に苦しみ続けることになります。

 

副作用は心臓への負担増というものもあるので、不整脈や脳梗塞、心不全などの命に係わる状況になる可能性もあります。

 

「運動せず、ラクして痩せられるすごい薬」

 

という触れ込みで勧められることもあるかもしれません。確かに痩せることは痩せるのですが、それは健康を著しく害したうえでの話。痩せた後命に関わる状況になることをしっかり理解し、副作用を避けるためにも健康なうちは決して手を出さないようにすることが重要です。